秋になってから、高齢の親が以前より食べなくなったと心配していませんか。
高齢者の食欲不振は、夏の疲れだけでなく、加齢による食欲低下や噛む・飲み込む力の変化、体調不良などが関係する場合があります。
食事量が減った状態を放置すると、低栄養や体重減少につながることも。
本記事では、秋に食欲が落ちた高齢者への食事の工夫と、医療機関へ相談する目安を紹介します。
編集長こうじ食事量や体重の変化とあわせて確認してみてください。
高齢者の秋の食欲不振は夏の疲れだけが原因とは限らない


秋になって高齢の親の食事量が減っていても、「夏の疲れが残っているだけ」と決めつけないほうがよいでしょう。
高齢者では、加齢による食欲の変化だけでなく、飲み込む力や味覚・嗅覚、胃腸機能の低下、薬の影響など、さまざまな理由で食事量が減る場合があります。
国立長寿医療研究センターも、高齢者の食欲低下には器質的な疾患と機能的な要因があると説明しています。
厚生労働省は「加齢に伴う食欲不振や筋肉量の低下は慢性的な低栄養を招き、フレイルの要因になります」としています。フレイルとは、加齢によって心身の活力が低下した状態です。
秋になっても食欲が戻らないときは、「以前より食べる量が減っていないか」「体重が落ちていないか」も確認してみましょう。
参考:国立長寿医療研究センター「高齢者の食欲低下について〜年を取るとどうして食欲がなくなるの?~」



秋という季節だけで判断せず、普段と比べて食事量や体重が変わっていないかを見ることがポイントです。
食欲がないときは少量でも栄養をとれる食事にする


一度にたくさん食べられないときは、無理に食事量を増やすのではなく、食べる回数や食品の選び方を工夫してみましょう。
1回の量を減らして食事回数を増やす
1回の食事を食べきれない場合は、少量ずつ分けて食べる方法があります。
国立長寿医療研究センターでは「一回の食事が少ない人は、間食を2から3回追加しましょう」と記載しています。
朝・昼・夕の3食だけで必要な量をとろうとせず、果物や乳製品などを間に加える方法もあります。
食事をたくさん盛り付けるより、本人が食べられる量から始めてみましょう。
たんぱく質やエネルギーをとれる食品を選ぶ
食事量が減っているときは、ご飯や麺類だけに偏らないようにしたいところです。
国立長寿医療研究センターは、食が細い高齢者について「野菜よりも先に主菜(肉、魚、卵、大豆製品)を食べましょう」としています。
全部食べることにこだわらず、肉・魚・卵・大豆製品などを食べられる範囲で取り入れましょう。
少量でエネルギーやたんぱく質を補える食品を探している場合は、高齢者向けゼリーおすすめ6選!水分・栄養補給に合う商品の選び方も参考にしてみてください。
食べやすさも確認する
「食欲がない」と思っていても、実際には噛みにくさや飲み込みにくさが原因で食事量が減っているケースがあります。
国立長寿医療研究センターは、高齢になると嚥下機能が低下し、1回の食事量が減少することがあると説明しています。
「食事中や食後にむせる」「食べる量が減った」なども、摂食嚥下障害でみられる症状です。
硬い食品を避けるようになった、以前より食事に時間がかかるといった変化も見ておきましょう。
噛む力に合わせた食事を検討する場合は、高齢者向けのやわらかい宅配弁当はどう選ぶ?噛みやすい食事を自宅に届けようで、やわらかい食事を選ぶ際のポイントを確認できます。



食べる量を無理に増やすより、回数・栄養・食べやすさの3点から調整してみましょう。
対応チェックチャート
当てはまる項目を選んで、食事の工夫で様子を見るか、医療機関への相談を考える目安にしてみてください。
以前より明らかに食事量が減っていますか?
食欲不振が続く・体重が減るなら医療機関へ相談する


高齢者の食欲不振が続いている場合は、「秋だから仕方ない」と長く様子を見続けないほうがよいでしょう。
厚生労働省の「後期高齢者の質問票」には、「6か月間で2~3kg以上の体重減少がありましたか」という項目があります。
また、国立長寿医療研究センターも、食欲不振が続く場合について「“たいしたことはないから大丈夫”と放っておかずに受診して」と呼びかけています。
「以前より明らかに食べなくなった」「体重が減ってきた」といった変化があれば、季節だけを理由にせず、かかりつけ医へ相談してみてください。



体重減少は家庭でも確認できる変化です。食欲不振が続いている場合は、早めの相談につなげましょう。
高齢者の秋の食欲不振でよくある質問
- 秋になれば食欲は自然に戻りますか?
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秋になれば必ず食欲が戻るとは限りません。
食欲不振が続いている場合は、季節の変化だけでなく、体調や食べにくさなど別の原因も考えましょう。
- 食欲がないときは好きなものだけ食べても大丈夫ですか?
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食欲が落ちているときに、本人が好む食品を取り入れる方法はあります。
国立長寿医療研究センターも「お好きな物を中心に献立を考える」方法を挙げています。ただし、食事が特定の食品だけに偏らないよう、食べられる範囲で主菜なども取り入れてみてください。
- 何日くらい食欲がなければ病院へ相談すべきですか?
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「何日続いたら受診する」という一律の基準は、今回確認した公的・専門機関の情報では確認できませんでした。
食欲不振が続く、食事量が明らかに減った、体重が落ちているといった変化がある場合は、日数だけで判断せず医療機関へ相談してみてください。
まとめ|秋の食欲不振を季節のせいだけにせず食事量と体重を確認しよう
高齢者の秋の食欲不振は、加齢や体調の変化、噛む力・飲み込む力の低下などが関係している場合があります。
食べられる量が少ないときは、1回の量を減らしたり、主菜や間食を取り入れたりしてみましょう。
食欲不振が続く、以前より食事量が減った、体重が落ちてきたといった変化があれば、季節のせいにせず、かかりつけ医へ相談してみてください。



秋という時期よりも「普段からどう変わったか」を確認することが、食事の工夫や受診を判断する手がかりになりますよ。

