高齢の親が座椅子から立つたびに、テーブルや家具につかまるようになると、「今の座椅子を使い続けて大丈夫かな」と気になりますよね。
立ち上がりやすさを重視するなら、床に近い座椅子より高座椅子を中心に探してみてください。
ただし、座面が高ければよいわけではありません。
編集長こうじ親の体格に合う座面高や肘掛け、本体の安定性まで確認しながら、立ち座りしやすい高座椅子の選び方とおすすめ商品を紹介します。
高齢者が立ち上がりやすいのは床に近い座椅子より高座椅子


床に近い座椅子では、深く曲げた膝や股関節を伸ばしながら体を持ち上げます。
立ち上がる際に家具へ手をつくようになったら、座面が床から離れ、肘掛けを使える高座椅子も検討してみてください。
床に近い座椅子は立ち上がるまでの上下移動が大きい
一般的な座椅子は座面が床に近く、立ち上がるまでに体を大きく持ち上げる必要があります。
以前は問題なく使えていた親でも、「テーブルにつかまらないと立てない」「立つまでに何度か反動をつける」といった様子が見られるなら、座る高さを見直したいところです。
高座椅子は通常の座椅子より座面が高いため、床近くまで深く腰を下ろさずに済みます。
肘掛け付きなら、手を置いて体を支えながら立つことも可能です。
厚生労働省の要介護認定に関する手引きでも、立ち上がりについて「テーブルや椅子の肘掛等にしっかりと加重して立ち上がる場合」は、「何かにつかまればできる」に分類されています。
参考:厚生労働省「要介護認定における認定調査票記入の手引き」
座面は高ければ高いほどよいわけではない
座面を高くすると立ち上がるまでの上下移動は小さくなりますが、高ければ高いほど使いやすいわけではありません。
岐阜県生活技術研究所は、高齢者福祉施設で椅子への着座・立ち上がり動作を調査しています。座面を高くすると、立ち上がる際の体の上下移動が小さくなり、腰や膝への負担を抑えられる一方、高すぎる椅子では、かかとが浮いて不安定な姿勢になる例も確認されています。
参考:岐阜県生活技術研究所「高齢者の身長に配慮した椅子のデザイン―着座起立動作と差尺の検討―」
同資料では、座位の安定について「足が床につくように座面高さを合わせる」と記載されています。
親に合う高さが分からない場合は、普段立ち座りしやすい椅子の座面高を測り、近い高さに調節できる高座椅子を選んでみてください。



床に近い座椅子からの立ち上がりがつらくなったら、座面高と肘掛けを確認して高座椅子への変更を検討してみてください。
立ち上がるときのふらつきだけでなく、自宅の段差や滑りやすい場所も気になる場合は、高齢者の転倒防止グッズもあわせて確認してみてください。
高齢者が立ち上がりやすい座椅子の選び方


高座椅子を選ぶときは、機能の多さより「立つ・座る動作を無理なくできるか」を優先します。
座面の高さ、肘掛け、安定性を確認したうえで、高さ調節やリクライニングなど必要な機能を選びましょう。
座面の高さは親の体格に合わせて選ぶ


座面高を見るときは、座った状態で足裏が床につくかを確認します。
高すぎてかかとが浮くものは避けたいところです。
反対に座面が低すぎると膝が深く曲がり、立つときに体を大きく持ち上げなければなりません。
商品ページに「高さ調節3段階」「4段階」と書かれていても、段階数だけでは親に合うか判断できません。
25cm・29cm・33cmといった実際の座面高まで見てみてください。
親が普段使っているダイニングチェアなどで立ち座りしやすいものがあれば、床から座面までを測っておくと比較しやすくなります。
立ち上がるときにつかみやすい肘掛けを選ぶ


肘掛けの有無だけでなく、立つときに手を置きやすい形かも確認しましょう。
短すぎたり細すぎたりすると、手に力を入れにくい場合があります。
手のひらを置ける幅があり、前方まで伸びているタイプなら、立ち上がるときの支えとして使いやすくなります。
もうひとつ見たいのが、肘掛けへ力をかけたときの安定性です。
商品写真だけで判断せず、肘掛けの素材や太さ、脚部を含めた本体構造も確認してみてください。
親が普段からテーブルや家具へ手をついて立っているなら、とくに重視したい部分です。
本体がぐらつきにくく安定しているか確認する


肘掛けへ手をついて立つなら、椅子本体が安定していることも欠かせません。
軽さだけを優先すると、床材や脚部の形状によっては手をついた際に本体が動くことがあります。
商品ページでは本体重量だけを見るのではなく、脚がどのように床へ接しているか、ぐらつきに配慮した構造かも確認しましょう。
畳やフローリングなど、実際に置く床との相性も考えておきたいところです。
一人暮らしの親は、転倒したあとに自分で助けを呼べない場合もあります。
座椅子だけでなく、倒れたときの備えまで確認しておきたい方はこちらも参考にしてみてください。


高さ調節・リクライニングは使い方に合わせて選ぶ


高さ調節ができるモデルなら、親の体格や使うテーブルに合わせて座面高を変更できます。
本人が店頭で座れないまま購入する場合にも選びやすいでしょう。
確認するのは「4段階」といった段階数ではなく、最低何cmから最高何cmまで動かせるかです。
リクライニングは、テレビを見たり休憩したりと長時間座って過ごす人に便利な機能です。
ただし、立ち上がりやすさを優先するなら、リクライニングの段階数より座面高・肘掛け・安定性を先に比較します。
必要な機能を整理してから商品を絞ってみてください。



立ち上がりやすさで選ぶなら、座面高・肘掛け・安定性を先に比較し、リクライニングなどはそのあとに確認しましょう。
高齢者が立ち上がりやすい座椅子おすすめ5選


座面高と肘掛けを中心に、高さを調節できる高座椅子を5商品選びました。
親の体格や、こたつ・テレビなど普段の使い方も考えながら比較してみてください。
| 商品 | 座面高 | 高さ調節 | リクライニング・特徴 |
|---|---|---|---|
| 山善 KMZC-55 | 25・29・33・37cm | 4段階 | 6段階、完成品、肘掛け付き |
| ヤマソロ CIEL(シエル) | 約25.4・29.2・33cm | 3段階 | 完成品、肘掛け付き、リクライニング |
| タンスのゲン 21300089 | 39・42・45cm | 3段階 | レバー式リクライニング、組立品 |
| 宮武製作所 大河 YS-D1800HR | 33・36・39・42・45cm | 5段階 | 背もたれ13段階、ヘッド5段階、組立品 |
| ホームテイスト 棗 SKZ | 22・26・30cm | 3段階 | 背もたれ3段階、肘掛け付き、完成品 |
山善 KMZC-55
組み立て不要で高さを4段階から選べる
組み立て作業を避けたい高齢者に選びやすい高座椅子です。
座面高は25・29・33・37cmの4段階から調節できます。
肘掛けには幅5.5cmの木製アームを採用しており、本体は倒れにくく、ぐらつきにくい安定構造。
背もたれは6段階のリクライニングに対応し、本体重量は約7kgです。
完成品で届くため、脚や肘掛けを取り付ける必要もありません。
離れて暮らす親へ直接送りたい場合や、組み立て作業を頼める人が近くにいない家庭にも使いやすいでしょう。
ヤマソロ CIEL(シエル)
完成品ですぐ使いたい人に
組み立て作業を親に任せたくない場合に選びやすい高座椅子です。
座面高は約25.4・29.2・33cmの3段階。低めから調節できるため、高すぎる高座椅子では足が床につきにくい人にも合わせやすくなっています。
本体には肘掛けがあり、重量は約8.5kg、耐荷重は約100kgです。背もたれはリクライニングできるので、テレビを見たり休憩したりするときにも使えます。
完成品で届くため、離れて暮らす親へ直接送りたい場合にも便利です。
高さを細かく変える機能よりも、組み立ての手間を省きつつ、低めの座面から選びたい人に向いています。
タンスのゲン 21300089
レバー式リクライニングを重視する方におすすめ
テレビを見たり休憩したりする時間が長く、背もたれを手元で動かしたい人に向いています。
座面高は39・42・45cmの3段階です。
本体重量は約12kg、耐荷重は約80kg。
フレームにはラバーウッドを採用し、組み立てて使用するタイプです。
離れて暮らす親へ送るなら、届いたあとに組み立てを手伝える人がいるかも確認しておきましょう。
宮武製作所 大河 YS-D1800HR
座面高を5段階から細かく選びたい人に
座面高を細かく変えたい人に選びやすい高座椅子です。
33・36・39・42・45cmの5段階から調節でき、今回紹介する商品の中でも選択肢が多くなっています。
背もたれはレバー操作で13段階、ヘッド部分は5段階で角度を変更可能です。
2025年の製品カタログでは、転倒防止用のフレームを従来品より長くした仕様も確認できます。
座面高だけでなく、リクライニング機能や脚部の安定性まで重視して比較したい人におすすめです。
ホームテイスト 棗 SKZ
小柄な高齢者にも合わせやすい低めの高座椅子
高い座面では足が床につきにくい小柄な高齢者に検討しやすいモデルです。
座面高は22・26・30cmの3段階で、今回の5商品の中ではもっとも低い位置から調節できます。
肘掛けが付き、背もたれは3段階でリクライニング可能。
本体重量は約5.5kgで、折りたたみにも対応しています。
ローテーブルやこたつと組み合わせたい場合にも選択肢になりますが、低く設定するほど膝を深く曲げて立つことになる点に留意しておきましょう。



高座椅子は同じように見えても、座面高には大きな差があります。親が普段立ち座りしやすい椅子の高さを測ってから比較してみてください。
高齢者が立ち上がりやすい座椅子についてよくある質問
- 高齢者向け座椅子の座面高さは何cmがいいですか?
-
身長だけで一律に決めず、座ったときに足裏が床につく高さを目安にします。
普段使っている椅子で立ち座りしやすいものがあれば、床から座面までを測って比較してみてください。
高さに迷う場合は、数段階から座面高を変更できる高座椅子を選ぶ方法もあります。
- 肘掛け付きの座椅子のほうが立ち上がりやすいですか?
-
立ち上がるときに手で体を支える人なら、肘掛け付きが向いています。
ただし、肘掛けが細すぎたり短かったりすると、十分に力をかけにくい場合があります。
手を置きやすい形状か、本体がぐらつきにくいかまで確認してみてください。
- こたつで使うなら座面の低い高座椅子でもいいですか?
-
こたつとの高さが合うなら、低めの高座椅子も選択肢になります。
ただし、座面を低くするほど立つときに膝を深く曲げるため、こたつとの相性だけで決めないようにしましょう。
座った状態で足を入れやすく、肘掛けを使って無理なく立てる高さか確認してみてください。
まとめ|親の体格に合った立ち上がりやすい座椅子を選ぼう
高齢者向けの座椅子を探すなら、見た目やリクライニング機能の多さより、まず立ち座りしやすいかを確認してみてください。
比較したいのは、座面高・肘掛け・本体の安定性です。
普段使っている椅子で立ちやすい高さを測っておけば、商品を選ぶときの基準になりますよ。



座面高と肘掛け、ぐらつきにくさの3点を優先し、親が実際に立つところまで考えて選んでみてください。
座椅子以外にも親の暮らしを支えるものを探している方は、便利グッズの記事も参考にしてみてください。









