高齢の親が家の中でつまずいたり、立ち上がるときにふらついたりすると、「次は大きなけがにつながらないか」と気になりますよね。
転倒防止グッズには、滑り止めマットや手すり、室内履き、センサーライトなどがあります。
ただし、浴室で滑る場合と玄関の段差でふらつく場合では、必要な対策は同じではありません。
親がどこで、どんな動作のときに危ないのかを確認し、場所に合う商品を選べるよう具体的に紹介します。
編集長こうじ転倒対策は、商品を探す前に「どこで」「どんな動作のときに」危ないのかを見るところから始めましょう。
高齢者の転倒防止グッズは危険な場所に合わせて選ぶ


転倒防止グッズを選ぶ前に、親が自宅のどこで危ない思いをしているのか確認しておきましょう。
消費者庁は、高齢者の転倒事故について「滑る」「つまずく」「ぐらつく」などの状況を挙げ、浴室・脱衣所には滑り止めマット、段差のある場所や階段・玄関には手すりや滑り止めを設置するよう注意を呼びかけています。
参考:10月10日は「転倒予防の日」、高齢者の転倒事故に注意しましょう!-転倒事故の約半数が住み慣れた自宅で発生しています-|消費者庁
| 気になる場所・状況 | 転倒防止グッズの例 |
|---|---|
| 浴室で滑る | 滑り止めマット |
| 敷居などの段差につまずく | 段差解消スロープ |
| 階段で足を滑らせる | 階段用滑り止め |
| 玄関の上がりかまちでふらつく | 手すり |
| スリッパが脱げる | かかとのある室内履き |
| ベッド周辺で転ぶ | 衝撃吸収マット |
| 夜間に足元が見えにくい | 人感センサーライト |
転倒事故が起きていなくても、「階段では必ず壁に手をつく」「敷居で何度か足を引っかけている」といった変化は対策場所を決める手がかりになります。
家中にグッズを増やすのではなく、親の生活動線を見て危険度の高い場所から優先するとよいでしょう。



親がつまずく場所や、手をつかないと歩けない場所を一度確認すると、必要な転倒防止グッズを絞れます。
場所別|高齢者におすすめの転倒防止グッズ7選


自宅の転倒対策には、床の滑りを抑えるもの、段差を小さくするもの、体を支えるものなどがあります。
親が困っている場所に合わせて、7つの商品を見ていきましょう。
浴室の滑り対策|パナソニック すべり止めマット[ユクリア]
濡れた浴槽や洗い場で足元が不安定になるなら、まず滑りへの対策を考えましょう。
パナソニックの「すべり止めマット[ユクリア]」は、独自の毘沙門亀甲柄を採用した合成ゴム製のマット。
多方向から力が加わってもグリップが働く形状で、ステンレス浴槽にも対応しています。
Mは幅38×長さ55cm、Lは幅38×長さ70cmで、厚さはいずれも0.25cmです。
全面に防かび加工が施され、オレンジ・ブルー・ブラウンの3色から選べます。
浴槽や洗い場によっては使用できないため、設置場所の材質も確認しておきましょう。
スリッパが脱げやすいなら|徳武産業 SUTTO FIT
普通のスリッパで歩いている途中にかかとが浮いたり、脱げたりするなら、足を包む室内履きへ替える方法があります。
徳武産業の「SUTTO FIT」は、履き口を広く設計しながら、履いたあとは脱げにくい形に仕上げた3E相当のルームシューズです。
Lサイズで片足約100gと軽く、底材にはEVAを採用しています。
サイズはSから3Lまであり、20.5〜27.5cmの範囲で選択可能です。
足のむくみや歩き方によって、合う靴は変わります。外出用も含めて比較するなら、高齢者が履きやすい靴7商品をまとめた記事も参考にしてみてください。


敷居などの小さな段差に|アロン化成 安寿 段差スロープEVA #50
数cmほどの敷居でも、足が十分に上がらなくなるとつまずく原因になります。
アロン化成の「安寿 段差スロープEVA #50」は、高さ5cmの室内段差をなだらかにつなぐスロープです。
サイズは幅76×奥行20×高さ5cmで、重量は約0.73kg。
EVA素材を使い、木ネジと目隠しシールが付属しています。
同シリーズには高さ2cm・2.5cm・3cm・4cmなどもあり、段差を測ってから高さを合わせられます。
実際の敷居の高さと一致するタイプを探してみてください。
階段で足を滑らせるなら|川口技研 スベラーズ室内用
階段は、一度バランスを崩すと下まで転落する危険もある場所です。
川口技研の「スベラーズ室内用」は、階段の踏み板先端に取り付けるタイプの滑り止め。
3本のクッション部分で滑りを抑えるとともに、コーナー部分にもクッション性を持たせています。
転倒時に階段の角へぶつかった場合の衝撃をやわらげる役割もあります。
階段マットを全面に敷きたくない家庭や、段鼻部分を中心に対策したい場合に検討できる製品です。
取り付ける階段との適合は、取扱説明書まで確認してから判断しましょう。
玄関の上がりかまちに|アロン化成 上がりかまち用手すり KM-300L/KM-300F
玄関で靴を履いたあと、段差を上がるために壁や下駄箱へ手をついていないでしょうか。
「上がりかまち用手すり KM-300L/KM-300F」は、玄関の段差昇降を支える木製手すりです。
製品幅は21cm、重量は約4.3kgから。
住宅改修用として用意されており、上がりかまちに手を添えられる場所を作れます。
手すりは高さや設置位置によって使い勝手が変わります。
玄関に取り付ける場合は、本人が実際につかまる位置を確かめたうえで設置方法を決めたい製品です。
ベッド周りで転んだときの衝撃対策|アクションジャパン ワンダーマット
転倒を完全に防ぐことが難しい場所では、転んだ際の衝撃を軽くするという考え方もあります。
アクションジャパンの「ワンダーマット」は、ベッド周辺などに敷いて使う厚さ5mmの衝撃吸収マットです。
裏面には滑り止め加工があり、3辺を斜めに加工してマット自体の段差を抑えています。
S・M・Lの3サイズがあり、日本転倒予防学会の推奨品にも選ばれている、おすすめ転倒防止グッズです。
夜中のトイレ移動に|アイリスオーヤマ 乾電池式LEDセンサーライト
昼間は問題なく歩ける廊下でも、夜になると段差や床にある物を見落とすことがあります。
アイリスオーヤマの「乾電池式LEDセンサーライト スタンドタイプ BSL40SN-WV2」は、人の動きを感知して自動で点灯・消灯する屋内用ライトです。
AUTO Hiは約40lm、AUTO Loは約12lm。
単3形アルカリ乾電池3本で使えるため、近くにコンセントがない廊下やベッド周辺にも置けます。
夜中に照明のスイッチまで暗い場所を歩いているなら、トイレまでの動線に明かりを追加できないか確認してみましょう。
高齢者の転倒防止グッズを選ぶときの注意点


グッズを置いたことで新しい段差ができたり、本人に合わない手すりを取り付けたりしては、転倒対策になりません。
ここでは、購入前だけでなく、設置したあとも確認しておきたい3つの注意点をまとめました。
マットやスロープ自体がつまずく原因にならないか確認する


滑り止めマットを敷いたら、端がめくれていないか、歩いたときにずれないかを見ておきましょう。
段差解消スロープも、元の段差と高さが合わなければ小さな段差が残ります。
消費者庁も家庭内の転倒対策として、段差や階段・玄関への手すりや滑り止めの設置、通り道に電源コードを置かないことなどを挙げています。
参考:10月10日は「転倒予防の日」、高齢者の転倒事故に注意しましょう!-転倒事故の約半数が住み慣れた自宅で発生しています-|消費者庁
設置して終わりにせず、親が普段と同じように歩いたときに足を引っかける場所が増えていないか確認してください。
本人の歩き方や身体の状態から必要なものを考える


転びそうになる理由が違えば、選びたいグッズも変わります。
足を十分に上げられず敷居につまずくなら段差対策、玄関で立った姿勢を保ちにくいなら手すりなど、困っている動作を基準にしましょう。
椅子から立つときにテーブルや家具へ手をつくようになった場合は、足元のグッズだけでなく座る環境を見直す方法もあります。
高齢者向けの高座椅子については、座面高・肘掛け・安定性から選ぶポイントを別の記事でまとめています。


手すりや段差解消は介護保険を使える場合がある


手すりの設置や段差の解消を予定しているなら、自費で工事を進める前に介護保険も確認しておきましょう。
介護保険では、工事を伴わない手すりやスロープなどが福祉用具の給付対象に含まれています。
住宅改修では、手すりの取り付け、段差の解消、滑りを防ぐための床材変更などが対象です。
住宅改修を利用する場合は、ケアマネジャーなどに必要な理由書を作成してもらい、施工前と施工後に自治体へ申請します。
対象になる製品や工事を自己判断せず、購入・施工前にケアマネジャーや自治体に相談しましょう。



転倒防止グッズは、設置後に別の危険を作っていないかまで確認してください。
住宅改修を考えている家庭では、工事を始める前の介護保険確認も必要です。
高齢者の転倒防止グッズに関するよくある質問
- 高齢者の転倒防止は家のどこから始めればいい?
-
親が実際につまずいた場所や、壁・家具へ手をつく場所を優先します。
階段、浴室・脱衣所、玄関なども確認し、滑りや段差、暗さといった原因に合わせて対策を考えましょう。
- 高齢者にスリッパは危ない?
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すべてのスリッパが危険とは限りません。
歩いている途中に脱げる、かかとが浮く、靴底が滑るといった状態が見られるなら、足にフィットするかかと付きの室内履きも比較してみてください。
- 転倒防止グッズは100均の商品でも大丈夫?
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価格だけでは安全性を判断できません。
滑り止めなどを使う場合は、設置場所に適しているか、歩いたときにずれないか、商品自体が段差にならないかを確認してください。
浴室や階段など転倒した際の危険が大きい場所では、用途が明確な製品と比較して選ぶ方法もあります。
- 手すりや段差解消に介護保険は使える?
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要支援・要介護の認定を受けている方は、手すりやスロープなどの福祉用具、手すりの取り付けや段差解消などの住宅改修が介護保険の対象になる場合があります。
対象条件や申請方法があるため、購入・施工前にケアマネジャーや自治体へ相談してください。
まとめ|転倒しやすい場所に合ったグッズで自宅を見直そう
高齢者の転倒防止グッズは、親が危ないと感じている場所や動作から選ぶのが基本です。
浴室には滑り止めマット、玄関の段差には手すり、夜間の移動にはセンサーライトなど、原因に合う対策を考えましょう。
マットやスロープは設置後の浮きやズレも確認が必要です。
手すりの取り付けや段差解消では介護保険を利用できる場合があるため、工事前にケアマネジャーや自治体へ相談してみてください。



一人暮らしの親なら、転倒を防ぐ対策とあわせて、倒れたあとに家族が気づける備えも考えておきましょう。
見守りセンサーや緊急通報などを比較した記事も参考にしてみてください。











