高齢の親が一人暮らしをしていると、「見守りや食事、買い物を家族だけで支えられるだろうか」と不安になる方もいるでしょう。
自治体では、緊急通報や配食、生活支援などを実施している場合があります。ただし、対象者や料金、サービス内容は地域によって異なります。
本記事では、一人暮らしの高齢者が利用できる自治体の主な支援と、制度の探し方、相談先をわかりやすく紹介します。

親の暮らしが心配な方は、ぜひ参考にしてみてください。
一人暮らしで起こりやすい生活上の困りごとを先に確認したい方は、以下の記事も参考にしてください。


高齢者の一人暮らしで利用できる自治体の支援


一人暮らしの高齢者向けに、見守りや緊急通報、配食、生活支援などを行っている自治体があります。
代表的な支援と、利用を検討したい場面を確認してみましょう。
| 支援内容 | 利用を検討したい場面 |
|---|---|
| 見守り・安否確認 | 離れて暮らす家族が日々の様子を確認できない |
| 緊急通報 | 転倒や急病時に助けを呼べるか不安 |
| 配食・食事支援 | 調理や買い物が負担になっている |
| 買い物・家事支援 | 掃除や日用品の買い出しが難しい |
| 外出・移動支援 | 通院や買い物の移動手段に困っている |
| ごみ出し支援 | ごみを集積所まで運ぶのが難しい |
見守り・安否確認サービス


一人暮らしで体調の急変や孤立が心配なら、自治体の見守り・安否確認サービスを確認してみましょう。
地域によって、訪問や電話、センサーなど、見守り方法は異なります。厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、見守り・安否確認について、「高齢者の安否確認や見守り」を行う生活支援サービスとして案内しています。
自治体によっては、地域包括支援センターや地域住民、民間事業者などが連携しているケースもあります。見守りの頻度や対象条件も異なるため、住んでいる市区町村の制度を確認してください。
安否確認の方法を詳しく知りたい方は、以下の記事で電話・訪問・見守り機器などを比較しています。


緊急通報サービス


転倒や急病など、自分で家族へ連絡できない状況が心配な場合は、自治体の緊急通報サービスを利用できることがあります。
自宅に専用の通報機を設置し、緊急時にボタンを押して助けを求める仕組みが代表的です。練馬区の高齢者在宅生活あんしん事業では、「警備員の駆けつけと救急車の要請ができます。」と案内しています。
自治体によって、警備員が駆けつけるタイプ、受信センターにつながるタイプなど仕組みは異なります。申し込む際は、利用条件や月額料金、緊急時の対応範囲まで確認しておきましょう。
配食・食事支援サービス


食事の用意や買い物が難しくなってきた場合は、自治体の配食サービスを利用できることがあります。
食事を届けるだけでなく、受け渡しの際に高齢者の様子を確認する制度もあります。西東京市では、対象者について、「65歳以上の一人暮らし高齢者」など、一定の条件を設定したうえで見守りを兼ねた昼食の配達を行っています。
利用できる曜日や料金、安否確認の方法は自治体ごとに異なります。食事の準備が負担になっている場合は、「高齢者 配食」「見守り配食」などで市区町村の制度を調べてみてください。
自治体の配食サービスと介護保険の関係は、以下の記事で詳しく解説しています。


買い物・家事などの生活支援


買い物や掃除を一人で行うのが難しくなった場合は、自治体や地域団体による生活支援を利用できるケースがあります。
厚生労働省は、介護予防・日常生活支援総合事業について、市町村が中心となって、地域の実情に応じて多様なサービスを充実させる仕組みとしています。
地域によっては、買い物の付き添いや代行、掃除などを支援するサービスがあります。ただし、利用できる内容や回数、対象者、料金は一律ではありません。
家事や買い物に負担が出てきたら、市区町村の高齢者福祉担当窓口や地域包括支援センターへ相談してみましょう。
外出・移動を助けるサービス


通院や買い物に出かけるのが難しくなってきた場合は、自治体の外出・移動支援を確認してください。
地域によって、公共交通機関の利用助成や送迎など、さまざまな仕組みがあります。札幌市では敬老優待乗車証について、「一定額の自己負担で公共交通機関の利用ができる」制度と説明しています。
ただし、交通支援は年齢だけで利用できるとは限らず、身体状況などを条件とする制度もあります。利用できる交通機関、自己負担額、申請方法まで確認したうえで検討しましょう。
ごみ出しなど日常生活を支えるサービス


ごみを集積所まで運ぶのが難しい高齢者向けに、玄関先などから回収する制度を設けている自治体があります。
たとえば川崎市の「ふれあい収集」では、自分でごみを持ち出せない対象者に対して、「ごみを排出者宅前又は所定の場所まで直接収集」するサービスを実施しています。
申し込めば誰でも利用できるわけではなく、川崎市では本人の状況や周囲から協力を得られるかなどを確認したうえで対象を判断します。ごみ出しが難しくなったら、「高齢者 ごみ出し支援」と自治体名を組み合わせて検索してみてください。
参考:ふれあい収集|川崎市



高齢者向けの自治体支援は、見守りから食事、移動、ごみ出しまで幅があります。困っていることに合う制度がないか確認してみましょう。
自治体の高齢者支援は誰でも利用できるとは限らない


高齢者向けの支援は、年齢だけで利用できるとは限りません。
一人暮らしかどうか、身体の状態、要介護認定の有無など、サービスごとに設定された条件を確認しておきましょう。
年齢や一人暮らしなどの対象条件を確認する


自治体の高齢者支援を利用する際は、対象年齢だけでなく、世帯状況や身体の状態まで確認してください。
たとえば練馬区の高齢者在宅生活あんしん事業では、65歳以上に加えて、日常生活で常時注意を要する状態や要支援・要介護認定などの条件があります。また、一人暮らしだけでなく、高齢者のみの世帯や日中・夜間に一人になる人なども対象に含まれています。
同じ自治体でも、支援制度ごとに条件が異なります。「65歳以上だから利用できる」と判断せず、申請前に対象者の欄まで目を通してください。
要介護認定がなくても利用できる支援がある


自治体の高齢者支援は、すべての制度で要介護認定が必要なわけではありません。
地域の見守りや生活支援など、介護保険サービスとは別の条件で利用できる制度があります。練馬区の高齢者在宅生活あんしん事業でも、要支援・要介護認定を受けた人だけでなく、健康状態などを確認するチェックシートによって総合事業の対象と判定された人を対象に含めています。
要介護認定を受けていないからと諦める必要はありません。日常生活で困りごとが出てきた段階で、市区町村や地域包括支援センターへ相談してください。
無料とは限らず利用料が必要なサービスもある


自治体が実施する高齢者支援でも、すべて無料で利用できるわけではありません。
無料の支援がある一方で、月額料金や食事代などを自己負担する制度もあります。練馬区では、見守り訪問と見守り電話は無料ですが、緊急通報システムや生活リズムセンサーには所得区分に応じた料金が設定されています。見守り配食の弁当代も実費です。
同じサービスでも、所得などによって負担額が変わる場合があります。申し込み前に、初期費用や月額料金、食事代などを含めて確認しておきましょう。
自治体によって支援内容や条件が異なる


高齢者向けの支援は全国一律ではなく、住んでいる地域によって内容が変わります。
厚生労働省の介護予防・日常生活支援総合事業も、市町村が地域の実情に応じてサービスを整備する仕組みです。
そのため、隣の市には見守りやごみ出し支援があっても、自分の市では同じ名称や条件で実施されているとは限りません。親の支援制度を探す場合は、家族が住んでいる自治体ではなく、親本人が住んでいる市区町村を基準に調べてください。



自治体の支援は年齢だけでは利用できない場合があります。対象条件と料金を確認してから申し込みましょう。
自分の自治体で高齢者向け支援を探す方法


自治体独自の支援は、市区町村の公式サイトや地域包括支援センターなどから調べられます。
制度名がわからなくても探せるため、次の方法を順番に確認してみましょう。
市区町村の公式サイトで確認する


自治体独自の支援を探すなら、市区町村の公式サイトを確認する方法が基本です。
サイト内検索で「高齢者 一人暮らし」だけでなく、「高齢者 見守り」「高齢者 配食」「高齢者 ごみ出し」「高齢者 移動支援」など、困っている内容を具体的に入力してみてください。
制度のページが見つかったら、対象年齢や世帯状況、利用料金、申込方法、問い合わせ先を確認します。
名称が想像しにくい制度もあるため、検索だけで見つからなければ、高齢者福祉や介護に関するページから探す方法もあります。
地域包括支援センターへ相談する


どの制度を利用すればよいかわからない場合は、地域包括支援センターへ相談してください。
厚生労働省によると、地域包括支援センターは高齢者の総合相談や介護予防などを担い、市町村が設置する機関です。
高齢者本人だけでなく、離れて暮らす家族からも相談できます。介護サービス情報公表システムでも、「高齢者や家族からの相談に応じます。」と案内されています。
「最近、親が買い物へ行くのをつらそうにしている」「食事を作れていない」といった段階でも構いません。状況を伝え、地域で利用できる支援がないか確認してみましょう。
介護サービス情報公表システムから地域の支援を探す


自分で地域の支援を探したい場合は、厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」も利用できます。
都道府県を選択し、「地域包括支援センターを検索する」「生活支援等サービスを検索する」といった項目から、地域のサービスを調べられます。見守りや配食など、目的が決まっている場合にも使いやすい検索方法です。
ただし、自治体独自の制度がすべて掲載されているとは限りません。希望する支援が見つからなければ、市区町村の公式サイトや地域包括支援センターも確認してください。



制度名がわからなくても、市区町村の公式サイトや地域包括支援センターから探せます。迷った場合は相談窓口を利用してください。
高齢者の一人暮らしを支援する自治体制度のよくある質問
- 一人暮らしの高齢者は自治体からどんな支援を受けられますか?
-
見守り・安否確認、緊急通報、配食、生活支援、外出・移動、ごみ出しなどを支援している自治体があります。実施内容や利用条件は地域によって異なります。
- 65歳以上なら自治体の支援を受けられますか?
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65歳以上という年齢だけで、すべての自治体支援を利用できるわけではありません。一人暮らしかどうか、身体状況、要支援・要介護認定など、制度ごとに対象条件があります。
- 要介護認定を受けていなくても利用できますか?
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要介護認定を受けていなくても利用できる自治体支援があります。見守りや生活支援など、介護保険の認定とは別の条件が設定されている制度もあるため、市区町村や地域包括支援センターで確認してください。
- 高齢者向けの自治体支援は無料ですか?
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すべて無料とは限りません。無料の見守りサービスがある一方、緊急通報の月額料金や配食の食事代など、自己負担が必要な制度もあります。
- 離れて暮らす家族でも地域包括支援センターに相談できますか?
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離れて暮らす家族からも相談できます。親の一人暮らしに不安を感じた場合は、親が住んでいる地域を担当する地域包括支援センターへ相談してください。
- 自分の地域にある高齢者向け支援はどこで調べられますか?
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市区町村の公式サイトや地域包括支援センターで確認できます。厚生労働省の介護サービス情報公表システムでも、地域包括支援センターや見守り・配食などの生活支援サービスを検索できます。
まとめ|自治体の支援を活用して高齢者の一人暮らしを支えよう
一人暮らしの高齢者向けに、見守りや緊急通報、配食、買い物、移動、ごみ出しなどを支援している自治体があります。ただし、利用条件や料金は地域ごとに異なります。
親の住む市区町村の公式サイトを確認し、利用できる制度がわからない場合は地域包括支援センターへ相談しましょう。離れて暮らす家族からも相談できます。



家族だけで抱え込まず、利用できる自治体の支援がないか確認するところから始めてみましょう。

