高齢者が餅を食べるときは、喉に詰まらせないよう注意が必要です。
普段は問題なく食事をしていても、加齢によって噛む力や飲み込む力が低下している場合があります。
餅を小さく切る、少量ずつ食べる、家族が見守るなど、安全を意識して楽しみましょう。
餅を食べるのが不安な場合の選択肢や、喉に詰まったときの対処法も紹介します。

親と一緒にお正月を過ごす予定がある方は、事前に確認しておきましょう。
高齢者が餅を食べるときは窒息に注意する


餅は噛み切りにくく、喉に付着しやすい食品です。高齢になると噛む力や飲み込む力も変化するため、普段の食事の様子を確認してから食べる必要があります。
ここでは、高齢者が餅を食べる際に注意したい理由をまとめました。
餅は喉に詰まりやすい食品
餅は噛み切りにくく、喉に付着しやすいため、窒息につながるおそれがあります。
特に、大きな餅を十分に噛まずに飲み込むのは危険です。
高齢者が餅を食べる場合は、「以前から食べているから大丈夫」と考えず、その日の体調や普段の食事の様子も確認しましょう。
噛む力や飲み込む力が低下している高齢者は特に注意する
食事中にむせる、食べるのに時間がかかる、硬いものを避けるようになった高齢者は、餅を食べる際に特に注意が必要です。
噛む力が弱くなると、餅を十分に小さくできないまま飲み込むおそれがあります。
普段の食事で飲み込みにくそうな様子がある場合は、無理に普通の餅を食べないようにしましょう。
普段むせていなくても窒息する可能性がある
普段の食事でむせていない高齢者でも、餅による窒息には注意してください。
日本摂食嚥下リハビリテーション学会では、嚥下障害を自覚していない高齢者でも、加齢による予備力の低下などから窒息を起こす場合があると説明しています。
参考:加齢と摂食嚥下機能|日本摂食嚥下リハビリテーション学会



普段問題なく食事をしている高齢者でも、餅を食べる際は油断せず、安全な食べ方を心がけましょう。
高齢者が餅を安全に食べるためのポイント


高齢者が餅を食べる場合は、大きさや一口量、食べ方に気を配る必要があります。家族がそばで様子を確認することも大切です。消費者庁も、小さく切る、少量ずつ食べる、よく噛む、見守るといった対策を案内しています。
ここでは、家庭でできる対策を紹介します。
餅は小さく切って食べやすい大きさにする
高齢者が餅を食べるときは、あらかじめ小さく切っておきましょう。
大きなまま口に入れると、十分に噛み切れないまま飲み込む危険があります。
小さく切ったから安全と考えず、一口量も少なめにしてください。
食べる前に飲み物で喉を潤す
餅を食べる前に、お茶や水、汁物などで喉を潤しておきましょう。
食事中も急がず、必要に応じて水分をとってください。
ただし、十分に噛んでいない餅を飲み物で流し込むのは避けます。
一度に多く口へ入れず少量ずつ食べる
餅は一度に多く口へ入れず、少量ずつ食べましょう。
口いっぱいに入れると噛みにくくなり、大きなかたまりのまま飲み込む危険が高まります。
小さく切った餅でも、一口ずつゆっくり食べてください。
よく噛んでから飲み込む
餅は十分に噛んでから飲み込みます。
口の中に餅が残っている間は次の食べ物を入れず、完全に飲み込んでから次の一口へ進みましょう。
食事中に会話するときも、餅を飲み込んでから話すようにしてください。
高齢者が餅を食べている間は家族が見守る
高齢者が餅を食べるときは、一人にせず家族がそばで様子を見守りましょう。
万が一、喉に詰まらせた場合でも、異変に早く気づけます。
特に噛む力や飲み込む力が弱っている方は、食べる速さや表情も確認してください。



餅は小さく切り、少量ずつゆっくり食べることが基本です。高齢者だけで食べず、家族がそばで見守りましょう。
お正月の料理全体について食べやすさを確認したい方は、高齢者向けおせちの選び方も参考にしてみてください。


普通の餅を食べるのが不安な場合は無理をしない


噛む力や飲み込む力に不安がある場合は、無理に普通の餅を食べる必要はありません。
高齢者向けに食べやすく調整された食品や、餅以外の食材を選ぶ方法もあります。
ここでは、普通の餅を避けたい場合の選択肢を紹介します。
むせや飲み込みにくさがある場合は専門家に相談する
食事中によくむせる、飲み込みにくそうにするといった変化がある場合は、普通の餅を無理に食べないようにしましょう。
餅を食べられる状態か家族だけで判断せず、かかりつけ医や歯科医師などへの相談を検討してください。
普段の食事自体が食べにくくなっている場合は、噛む力に合わせた食事についても確認しておきましょう。


高齢者向けに食べやすく調整された餅を検討する
普通の餅が不安な場合は、高齢者向けに食べやすく調整された商品も選択肢です。
アサヒグループ食品の「スプーンで食べるおもち」は、なめらかでべたつきを抑え、スプーンで食べられるよう作られています。メーカーが示す「かむ力の目安」は「かまなくてよい」です。
ただし、食べやすさは本人の状態によって異なるため、飲み込みに不安がある場合は専門家へ相談してください。
雑煮は餅以外の食材に置き換える方法もある
普通の餅を避けたい場合は、本人が普段問題なく食べている食材を雑煮に入れる方法もあります。
お正月だからと無理に餅を食べる必要はありません。
本人の噛む力や飲み込む力に合わせて、食材の硬さや大きさを調整しましょう。



普通の餅に不安がある場合は無理をせず、高齢者向け食品や別の食材への置き換えを検討しましょう。
高齢者が餅を喉に詰まらせたときの対処法


餅を喉に詰まらせた場合は、すぐに対応する必要があります。
声が出ない、呼吸が苦しそう、喉をつかむなどの様子があれば、窒息を疑います。
ここでは、咳ができる場合から反応がなくなった場合まで、対応の流れを紹介します。
強く咳ができる場合は咳を続けてもらう
強く咳ができる場合は、咳を続けてもらいながら注意深く見守ります。
消防庁では、咳が弱くなった場合や咳ができなくなった場合には、迅速な対応が必要と案内しています。
咳ができない場合は119番通報して異物除去を行う


声が出ず、咳もできない場合は、直ちに119番通報します。
消防庁では、窒息した人には背部叩打法を行い、効果がなければ腹部突き上げ法を行うよう案内しています。
背部叩打法は、手のひらの付け根で左右の肩甲骨の間を力強くたたき、異物を排出させる方法です。
応急手当の方法を事前に確認しておくと、万が一の際にも対応しやすくなります。
反応がなくなった場合は心肺蘇生を始める
餅を詰まらせた人の反応がなくなった場合は、119番通報を行い、心肺蘇生を始めます。
消防庁は、気道異物が疑われる人の反応がなくなった場合、AEDが近くにあれば手配し、直ちに心肺蘇生を行うよう案内しています。



餅を喉に詰まらせた場合は、咳や反応の有無を確認し、状態に応じて119番通報や応急処置を行いましょう。
まとめ|高齢者が餅を食べるときは安全を優先しよう
高齢者が餅を食べるときは、小さく切る、少量ずつ食べる、よく噛む、家族が見守るといった対策を行いましょう。
むせや飲み込みにくさがある場合は無理に普通の餅を食べず、高齢者向け食品や別の食材への置き換えも選択肢です。



本人の噛む力や飲み込む力に合わせ、無理なくお正月の食事を楽しみましょう。


